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博麗神社例大祭SP2【公式サイト】開催日時 2011/9/11(日) 博麗神社例大祭SP2に参加するゲームサークルまとめです。 過去1年以内に東方二次創作ゲームやアプリを頒布したサークルも載せています。 色分け詳細を表示 新作、既作、その他などを色分けで分類表示 背景色 文字色 意味 wiki構文 紅色 通常色 新作やバージョンアップ版 の東方二次創作ゲーム、アプリ BGCOLOR(#DC143C) 蓮桃色 通常色 準新作(初出から1ヶ月程度) BGCOLOR(#DA81B2) 灰色 通常色 既作、過去作 の東方二次創作ゲーム、アプリ BGCOLOR(#DCDCDC) 薄灰 の 非 東方二次創作ゲーム、アプリ BGCOLOR(#DCDCDC) 白色 通常色 東方二次創作ゲームの 本、音物、データ、ゲーム以外 BGCOLOR(#FFFFFF) 薄灰 非 東方二次創作ゲームの 本、音物、データ、ゲーム以外、詳細不明な物など非東方も font(#C0C0C0){文字列} 表示 意味 wiki構文 New! 更新が3日以内の場合表示される br() sizex(1){ b(){ font(#DC143C){ new2(2011/09/10 11 00 00,time=72,show=New!)}}} 先頭の br()は改行の意味 参考リンク:pixivイベントマップ 配置 ジャンル タイトル 作者サイト 体験版 頒布状況 頒価 会場 備考 店 く30b 東方夢幻偽郷の最新版の動画デモペーパーと既刊 SnowGale せ05b 本 新刊 失零-lost ZERO- て01b 準新作SLG 東方シミュレーションRPG都死と狼と世界樹と~序章~ スレイプニル C80頒布済虎 1000円1050円 レビュー会場特典カード 音物 東方アレンジCDゆゆさま~hungry for life~PV付 C80頒布済虎 1000円1050円 会場特典カード て14ab 音物 こな×おとREMIXES こなぐすり音楽サークル な15b Android用 ウィジェットとライブ壁紙をWEB頒布 蒼穹工房 WEB頒布中 アプリやグッズ関係 グッズ ドッグタグ な16a データ デジタルフィギュア博麗霊夢 Ver.1.1 七月の三日月 ゲーム向け 3Dモデルデータ な17a RPG 3DダンジョンRPG東方魔境 吟遊堂 メロン 虎WC ばおーD-S 1260円 レビュー1レビュー2(2011/11/19) な17b 真理の黒龍 な18a のんびり工房Nyamt な18b グッズACT 缶バッヂ 東方ばっちこい!! Vol.8星蓮船+α編おまけにACTゲーム無料配布東方ばっちこい!!SP 白黒大罰地 SCN な19a 音物SLG ちぇむぶれむのサントラおまけに星蓮船版が付属 ちゆうどう 店 ゲームはC80頒布済 1260円 手焼きプレス版は紅楼夢か店 既作 既作 委託SLG さくやさんタクティクス・C80アルファバージョン 委託元 コココソフト C80頒布済WEB頒布 無料 WEB版の方がverは上 な19b 闇討ちProject な20a STG 弾幕STG (完成はコミケ81予定) いっこんぞめ☆ロリポップtwitter 頒布延期 に01a ACT 東方魔弾斬 制作途中版 INSIDE SYSTEM 100円? 頒布数20部? に01b RPG 東方下剋上クインテット!製品版(予定) 制作部Sharp Eight東方下剋上クインテット! 500円 先着特典有(カード) に02a コピー誌と在庫少々 青い鳥捕獲部 に02b 本 同人誌 首吊人形 に03a ACT サトリネットワークハルトマンエグゼ 体験版1章予定?(C80バグ修正版) Windog* 100円 C80購入者は既にパッチ有 に03b ADV 東方逢縁譚 体験版 とぅるてぃまどきゅーん! 無料 フルボイス情報源 に04a ADV お空が頑張るノベルゲーム東方時空天則 SKY.EGG に04b 準新作ETC タイピングゲームTyping of Kyouko イコレート C80頒布済 500円700円 当日パッチ有適用推奨 既作 ミスチーズ!~ナズと愉快な仲間たち~ 体験版 例大祭8で頒布済 100円 に05a RPG 新作のOPのみデモ版(東方うー☆ぱちゅリィ~鬼巫女の試練場~(仮)) アルケミスト・ラボ 無料 に05b 準新作ADV かまいたちるの夜2 マレ茶 C80頒布済 に07a グッズ 氷冷!チルノスポーツタオルほか カスガソフト 既作 既作 に07b ADV 不明 C80では下記を頒布大ちゃんの大冒険Ⅱヤマメクライシス フラストレーション ばおー 735円 に08a グッズ ラバーストラップ こすぷれ喫茶娘々 に09a 準新作TBL まりさパーティ 体験版2 春夏冬中 ガタケット117で頒布済 に09b RPG 幻想世界EASTLAND SAGA体験版 ちびっこ娘々 無料 非東方 METAL BLADE ZEROとぁる迷子の霊子冷装 体験版 vistaは×? 既作既刊 東方死線撃、⑨式既刊 6冊 に10b 弾幕レースゲーム(タイトル未定)デモ展示のみ ReadyToCreate 音物 ころころれいむSoundtrack 100円 既作 既作 ころころれいむ 200円 に11a ETC 幻想小遊戯集 体験版 すい~と・らぴーぬ 無料 既作 既作ゲーム4作 & グッズ ね19a ETC 試作型番【エスピー】現在開発中ゲームの動作試験版2つ 復旧アネデパミ 100円無料 既作 東方⑨月洸完全攻略ガイド 無料 グッズ グッズ コチーヤクッション 配置 ジャンル タイトル 作者サイト 体験版 頒布状況 頒価 会場 備考 店 ひな形 サイト名か、サークル名
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#またまた実験作です。 掃除当番ということで、俺はいつもより遅れて部室に向かった。 なぜか長門が部室前に立っている。どうしたんだ、一体? 「この前掲示板に張った文章を彼女に見られた」長門は淡々と説明する。 ひょっとしてそれで立たされているのか? 「そうではない。新作を見せたところ『あたしがいいというまで外に立ってなさい』と言われた。ゆえに立っている。」 「また書いたのか」 「そう。悪気はない。喜ばせようと思っただけ」 「なるほどね。ま、いいや一緒に入ろう。ハルヒには俺はから話をしてやるから。」 そうして俺と長門は部室の扉を開いた。 確かにハルヒはぶんむくれた表情のまま団長席にあぐらをかいて座っている。怒りゲージMAXというところか。エプロンドレス姿の朝比奈さんは、丸盆を抱き締めたままブルブルふるえているだけだった。 「どうした、団長様ともあろうものが。もう、いい加減長門を許してやれよ」 「有希はね、とんでもない文章を掲示板に張ろうとしたのよ」ハルヒはA4用紙を俺に突き付けた。「これ、読んでみなさい!」 俺は読み始めた。 鈴宮はるひの後悔 その1 「なんで、あたしの前でみちるちゃんといちゃいちゃすんのよ、この馬鹿きょん!」頬に一筋の涙が見えた。 そういって鈴宮はるひは部室の扉を蹴り開けて、走ってどこかに行ってしまった。ああ、また部室の扉が破壊されてしまった。この前直した蝶番が見事に外れてしまっている。 またドア中央部には大きなへこみが出来ている。圧縮合板で出来た扉にここまでのダメージを与えるにはどんな力が必要なのだろうか。 「きょん君、追いかけてください。」さきほどまでのオレとのいちゃいちゃで顔を上気させた浅比奈さんがいう。「鈴宮さんはあなたを必要としています。」 「え、オレが?」別にあんな怪力女には興味ないんだが。「でも、浅比奈さんをひとりには。」 「私は大丈夫。心はあなたとあります。だから、鈴宮さんを追いかけてください。」 「いや、だからオレはあなたのことが」 「だめです。それは。鈴宮さんはあなたが追いかけてくることを望んでいます」 「いや、あのアホはほっといて二人で楽しくやりませんか?」 「・・・・それは落着いてから、ね」浅比奈さんがぼそりといった。「とにかく鈴宮さんを追いかけてください。慰めて連れて帰ってきてください。 なんならキスの一つや二つしてもいいです。そうしないと世界が・・・」 そうだ、そういえばそうだった。なぜか鈴宮はるひの御機嫌をとらないと世界は滅んでしまうのだった。 「勇気をあなたにあげます」そういって浅比奈さんはオレに口づけをくれた。 鈴宮はるひの後悔 その2 オレのツレである小泉は文芸部員だ。それでちょくちょく文芸部部室に遊びにきていて、浅比奈さんと出会った。それが恋に成長するのに時間はかからなかった。 オレと鈴宮はるひはクラスも違うし、なんの接点もない。しかし、ちょくちょく遊びにいっているうちに、浅比奈さんや小泉が「あなたは鈴宮はるひに選ばれてしまった」と突然いいだした。 それは百歩譲ってそういうものだと理解してやってもいい。でも、オレは浅比奈さんといちゃいちゃしたり、小泉とツルんで遊んでいた方が楽しいのだ。 なんで、あんな電波女の相手をせにゃならんのだ。 まあ、とにかく鈴宮はるひを見つけだし、慰めて連れて帰らなければならない。 しかし、あの泣き虫怪力女はどこに消えたのだろうか。 「やあ、こんなところにいたとは」小泉の声に振り返った。 「おお、鈴宮を知らないか?」 「また泣かせたのですか?」あきれたように小泉がいう。 「あいつが勝手に泣いたんだよ」肩をすくめて答えた。「んで、ドア蹴破って逃亡さ。」 「やれやれですね・・・ちょっと待ってください」小泉は携帯を取り出した。電話で二言三言話をすると、電話を切った。「鈴宮さんの場所が分かりましたよ」 「どこにいるんだ?」 「近所にある神社だそうで」小泉は興味深そうにいう。「いきますか。」 「いこういこう。」 鈴宮はるひの後悔 その3 「ここか?」 「そうです・・・ね」 目の前には古ぼけた神社がある。霊気がただよっているような、いないような。霊感は0なので、どっちでも同じことだが。 「お堂の中にでもいるんじゃないでしょうか?」小泉がとぼけた調子でいう。 「うーん、外からではわからんな」 「ここはあなた一人でいくしかありません」小泉は残念そうにいう。 「ま、やってみるさ」オレは肩をすくめながら言う。「骨は拾ってくれよ」 「ご武運を」小泉は言う。 小泉とげんこつを合わせていざ出陣だ。気まぐれ自己中女との対決だな。 お堂を一回り回って見たが、入り口は正面しかないようだ。そうっと階段を上る。 隙間から中が伺えないかとのぞいてみたが、なにも見えない。 あけてみるしかなさそうだ。 きぃきぃきぃといいながら扉が開く。真っ昼間だというのに背中が寒くなるな。 外からの光でやっと中が見える。・・・・あの人影、たぶん、鈴宮だ。 「鈴宮か?」 「ばかきょん?なんでくるのよ。」すすりあげるような声が聞こえた。 「心配したぞ、帰ろうぜ」 「いやよ、どうせしばらくしたら、あんたとみちるちゃんがいちゃいちゃしだすにきまってるわ。そんなの耐えられない」 「もうしないよ、約束する。」部室ではな。 「・・・・・・・ホント?」 「ホントだとも」当然部室限定でな。 「・・・・・・・あたしとも遊んでくれる?」 「ああ、遊んでやるとも」部室ならな。 「・・・・・・・こっちきて」 反射的にヤダといいそうになるが、グッとこらえて中に入った。中はわずかにかび臭い匂いがするが、それほど不快でもなかった。 鈴宮はるひの後悔その4 「さっきいったこと本当に約束してくれる?」泣き濡れた目が赤い。好きな女の子を泣かす趣味はまったく無いが、泣いた女の子はそれなりに心にヒットするな。 「ああ、約束する。」心の中で舌を出しながら答える。「だからな、鈴宮、帰ろう」 「2つ、約束して」はるひがまぁかわいいともいえなくもない笑顔になって言う。 「な、なんだ?」 「ひとつは、今度からあたしのこと『はるひ』って呼んで」 「ああいいとも」まあ計算のうちに入っている。 「もうひとつ、お願いがあるんだけど」顔が赤い。熱でも出たのだろうか。 「なんだ?」 「抱き締めて、好きっていって」 正直躊躇する。浅比奈さんであれば先週したし、小泉にだって頼まれればやってやってもいい。 しかし、こいつにそんなことする義理は・・・・ 突然、オレの腕の中で甘える浅比奈さんの笑顔が浮かんだ。夕日の中に立つ小泉を見た。邦木田や溪口、麻倉を始めとするクラスメートの笑顔も浮かぶ。両親や妹、そして飼い猫も浮かんできた。 オレにはかけがえのない恋人や親友、友人、そして家族。退屈もするが楽しい世界。その世界をオレは守らなければならない。そのために払う犠牲と考えれば安いものだ。 すっと鈴宮を抱き寄せる。浅比奈さんほどじゃないが、思ったより肉感的な体で驚く。 ちょっとこれは危険だな。 鈴宮の耳元に唇を寄せて、ささやいた。 「好きだ」と。 鈴宮はるひの後悔 その5 「ありがとう。」鈴宮は顔を赤くしたまま言う。 抱き合っていると、さすがに変な気分になってくるな。 ちょっとぐらい悪戯しても許されるんじゃないか?そんな気分になってきた。 首筋に軽くキスをしてみた。ぴくんと体が反応した。いい反応だ。 両手をすっとお尻にまで降ろし、さわさわとなでて見る。はるひの体は、すばらしい反応を見せた。 「中学時代、遊んでたって話は本当なのか?」 「な、なにをいうのよ、突然。」 「ほら、すごく感度がいいんだ。」首筋をなぞるようにキスを繰り返す。そのたびに、はるひの体が反応した。「中学時代に、開発されたんだろ?」 「ば、ばか」否定せず、うつむくはるひ。 はるひの顎を右手で軽く持ち上げた。潤んだ瞳に欲情の炎が見てとれる。唇を荒々しく奪う。ハルヒは目を大きく広げ、そして素直になった。 「こんなとこで・・・・」うっとりとした顔は、ここでしてって言ってるぞ。「そんなこと、いわないで・・・」 文章はそこで終わっていた。なるほど、ハルヒが怒るのももっともだ。 「長門、これ話がむちゃくちゃだろう」 「さまざまな要素を詰め込んでみた。主人公がヒロインを泣かせて追いかけて、葛藤があって、告白があって、さらにエロティシズムまでカバー」 「実験にも程があるぞ。これじゃハルヒをいじめてるだけじゃないか。 しかも、なぜ俺が古泉に頼まれれば抱き締めて好きとささやくような性格になってるんだ」 「主人公は鈴宮はるひであって、涼宮ハルヒではない。またあなたも同じ。」 どうも反省が足りないようだ。掃除用具入れを開けて、バケツを取り出した。 3人が見守るなか、俺はバケツに水をたっぷり入れると、長門に渡した。 「これもって、いいというまで外で立ってろ」 しばらくして古泉がやってきた。同じように長門を部室に招き入れる。 おれはさきほどの紙を渡してやると静かに古泉はそれを読み始めた。 古泉もおれと似たようなことをいい、小さなホワイトボードを探しだし、なにかを書いた。 「これを首にかけて、僕がいいというまで外で立ってなさい」 ホワイトボードにはこう書いてあった。 「わたしはねらーです」 おしまい。
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リリカルZOIDS第1話 注意 クロス元はアニメ版ZOIDS(無印)です 新暦67年(なのはが大怪我をする)スタートです 捏造設定があります 新暦67年。 その日、高町なのはとヴィータは、とある遺跡に捜査任務に来ていた。 その遺跡はすでに調査が済んでおり、危険なトラップや貴重な出土品なども特になかったのだが・・・。 「うぅ~、寒ぃ寒ぃ。ったく、なんだってこんな遺跡に潜らなくちゃいけねーんだか・・・」 「にゃははは。でも仕方ないよ、ヴィータちゃん。いきなりあんな大きな魔力反応が発生したんだし」 「分かってるよ、そんくらい。あぁ~、さっさと捜索終わらせて早く帰りてーな」 「そうだね~」 そう言いながら二人は遺跡の深部へと進んで行く。 「で、何か見つかったのか?」 「ううん。今の所、WASでは何も見つからないね」 「そうか。おっと、10分経ったな」 そう言うと、ヴィータは空間ディスプレイを開き、通信を開始した。 「こちら、ヴィータ。各班、状況を報告せよ」 「A班、異常なし」 「B班、異常なし」 「C班、こちらも異常ありません」 「D班、異常なしです」 どうやら、なんの問題もないらしい。 その報告を聞いて、なのはは胸を撫でおろした。 (このまま、何も起こらなければいいんだけど・・・) なのはは、自身の不調を自覚していた。 最近、眠っても疲労があまり回復せず、疲れを残したまま任務に就くことが多くなってきているのだ。 もちろん、そのことを友人達には気づかれない様にしているが、それもそろそろ限界だろう。 (今日の任務が終わったら、シャマルさんに診てもらおうかな) そう考えていた時の事だった。 「こちら、B班!!小型の飛竜と遭遇!!」 切迫した声に、なのはの意識は現実に引き戻された。 「・・・っ、こちら高町です。B班、現在位置は!?」 「ポイントX-150、Y-1000!」 「・・・っ、そんな所に」 「くそ!遠すぎっぞ!」 なのはの隣でヴィータが悪態をつく。 隊員のいる地点までは、どれだけ急いでも10分はかかるからだ。 しかし・・・ 「こちらB班。高町隊長、ヴィータ副隊長、飛竜は何もしてきません。こちらを窺っているだけです」 「「え!?」」 その報告になのはとヴィータは顔を見合わせた。 お互いに怪訝な表情が広がっているが、それも無理からぬことだろう。 なぜなら、彼女たちの所属する武装隊のテキストによれば、飛竜とは竜種の中でも1、2位を争う程、凶暴な竜のはずなのだ。 「おかしーな。飛竜ってのは、凶暴性が売りのはずなんだけどな・・・」 「そうだよね。そもそも、こんな遺跡に飛竜がいる時点でおかしいし」 二人はそう言いながらも、その飛竜への対応を考え始める。 「とりあえず、現状維持で待機かな?飛竜さんが何もしてこないなら、無理に戦ったり、捕獲しようとするのも良くないと思う」 「そうだな。下手に怒らせたら、大変なことになっちまいそうだしな。つーわけだ。とりあえず、B班は・・・」 と、決定した内容をヴィータが伝えようとしたその時、WASにある人影が写った。 「・・・っ!待ってヴィータちゃん!WASに反応!誰かがB班の所に向かってる!」 「!!なのは、そいつの特徴は!?」 「待っててね・・・。長い黒髪を後ろで束ねてて、顔に刺青みたいなのをしてる。私と同い年くらいの男の子だよ」 なのはは、冷静になりながらWASから得た情報をヴィータに伝えていく。 ところが、その人物が懐から取り出した物を捉えた瞬間、なのはの顔から血の気が引いた。 「ヴィータちゃん!この子、拳銃――質量兵器を持ってる!」 「っんだと!!」 さらになのはには、WASに向かって拳銃を構え発砲している映像が飛びこんできた。 そしてそれを境にその人物を映していた映像は途切れてしまった。 その事実をヴィータに伝えるべく、なのはは顔をあげた。 「最悪だよヴィータちゃん。この男の子、WASを破壊してB班の所に向かってる」 「・・・つまり、敵ってことか?」 「そこまでは分かんないよ。でも、もしかしたらあの飛竜さんは・・・」 「そいつの使い魔かもしれねぇって事か」 「うん」 「だとしたら、飛竜の実力も分からない分、B班の奴らだけじゃ危ないな。いったん出口まで下がらせるか?」 「そうした方がいいと思う。その人の現在位置は、ポイントX0Y0で私たちはX0Y1000だよ。この速さだと、私たちより3、4分は早く着いちゃう。それに今回の魔力反応の原因もこの人かもしれない!」 「よし、B班聞いていたな!そこは危ない、出口まで引き返せ!」 「了解しました!」 「ヴィータちゃん、私たちも急ごう!」 「ああ!」 そう言いながら、ヴィータが通信を切ろうとした時だった。 「っ!!こちらB班!飛竜が通路を塞ぐように、移動し・・・、いえ襲ってきました!くそ!B班交戦開始(エンゲージ)!」 その叫び声と共に通信画面が途切れてしまった。 「おい!どうした、B班!応答しろ!」 しかし、返事はなく、その事実がなのはとヴィータに嫌な想像を抱かせる。 その想像を振り払うようになのはは、大声をあげた。 「急ごう、ヴィータちゃん!レイジングハート!!」 「分かってるよ!アイゼン!!」 二人は、デバイスを起動させると最大スピードで、B班の元へと向かった。 Another View とりあえず、今の状態を一言で表すなら最悪の一言につきる。 薬草をとりに相棒のオーガノイドと山に入ったまではよかった。 しかし、薬草を採取しているといきなり光に包まれ、気がつけば、どことも知れぬ遺跡の中。 おまけに体は子供時代――おそらく14歳くらいの時だろう――にまで退化している始末。 (誰だって、こんな状況におかれたら最悪だと思うだろうさ。) 独り呟きながら、通路を進んでいく。 先ほど撃ち落した赤く光る球体の事も気にかかるが、今は相棒が足止めしているであろう人物達と接触する事の方が先決だ。 そう思いながら、手元の拳銃を確認する。 先ほど、自分を尾行していた赤い球体に一発撃ったので残弾は23発だ。 その他に自分の持っている武器と呼べるものは、スローイングダガー4本しかない。 (なんとかするしかない・・・か。) そう呟きながら、彼は相棒の待つ遺跡の一室に到着し、その光景を見た。 Another View End なのはとヴィータは、急いでいた。 通信が途切れてから、もう5分が経っている。 二人とも、何が起こっているかなど想像したくもなかった。 「A班は現状維持で待機して下さい。C班はB班の救援へ!D班はA班と合流し、同じく待機!!」 「A班了解!」 「C班了解!B班との合流まで15分!」 「D班了解!A班まで10分です!」 「おい!応答しろB班、聞こえねえのかよ!」 なのはは冷静になるよう努めながら、各班へ指示を出す。 その傍らでヴィータは、なんとかB班と連絡を取ろうとしていた。 しかし、相変わらず返事が返って来ることはなく、その事実が二人を更に焦らせていく。 「くそ!なのは、まだかよ!」 「もうすぐだよ・・・っ。そこを右に!!後は、B班の所まで一本道だから!」 「分かった!」 そう言いながらも、二人は周囲を注意することも忘れない。 もしかしたら、あの黒髪の少年が使い魔の竜と合流し、通路のどこかで自分達を待ち伏せているかもしれないからだ。 自分たちの存在に気づかれている様子はないから、その可能性は低いだろう。 だが、可能性は低くとも、それは決して無視できない事態の一つだ。 飛竜1匹に、訓練された武装隊全員が敗れているかもしれないことを考えれば、当然といえるだろう。 それに相手は、一人ではない。 少年とはいえ、質量兵器を持っているのだ。油断はできない。 だが、そのような事態に陥ることはなく、なのはとヴィータはB班のいた地点まで、あと300mの地点という所まで来ていた。 「急ごうぜ、なのは。後少しだ!!」 ヴィータはそう言いながら、グラーフアイゼンを両手で握り直す。 「うん!皆を助けなくっちゃ!!」 なのはも大声を張り上げる。 その音量の大きさに思わずヴィータは、顔をしかめた。 「なのは、声でかすぎ・・・」 「はにゃ!ご、ごめんヴィータちゃん。私・・・」 「ったく!ほら行くぞ!!」 そう言うと、ヴィータは一気に突進していった。 「ま、待ってよ、ヴィータちゃん!」 遅れて、なのはも飛び出していく。 (・・・・?) そのことにヴィータはどこか違和感を感じながらも、その正体を考える余裕もなく、B班のいた地点にたどり着いた。 目の前には多くの隊員が倒れていた。 等間隔に、仰向けになって 「「・・・?」」 なのはとヴィータは怪訝そうに顔を見合わせる。 辺りを警戒しつつ近寄って確認してみるが、死んでいるのではなく、ただ気絶しているだけのようだった。 「どーなってんだ?」 「分かんないよ。報告にあった飛竜も、あの男の子もいない」 周りを確認すれば、砕かれた地面、陥没している壁面など戦闘の痕はあちこちに残っているが、戦闘を行った隊員達は誰かに介抱されたかの様に、横たえられている。 この不測の事態に二人は戸惑うしかない。 「どうしよっか?」 「とりあえず、C班の奴らが到着するまで待つしかねーな」 「だよねぇ、とりあえず連絡しないと・・・」 「それは困るな」 「「・・・!?」」 突然会話に割り込んできた声に、二人は驚きながらも声の主の方に向き直る。 そこには、WASに映っていた、拳銃を構えた少年と・・・ 「“黒い”・・・飛竜」 自分たちを警戒しているのか、獰猛な唸り声をあげる竜がいた。 目次へ 次へ
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【女性化】禁書キャラを性転換させてみるスレ【男性化】(TSスレ)に投下された作品はこちらへ そもそも「TSって何さ?」という方。こちらへ。 現行スレ 【女性化】禁書キャラを性転換させてみるスレ【男性化】Part3 過去スレ TSスレ【男性化】 Part1、Part2 長編まとめ 短編まとめ 長編まとめ かげ☆とま ~とある影達の舞踏会~ 上嬢さん主体のSS 天井奮闘記(未編集) 天井亜衣が主人公のSS CrazyAcademy ~蘇る番長伝説~(未編集) 結標兄貴主体のSS 短編まとめ 炎の少女ステイル~マールボロは危険な香り(未編集)ステイル主体のSS 記念すべきTSスレ初作品 女性化したステイルが女性陣に弄られる話 一方通行の幸福と、上条当麻の不幸に見せかけた幸福に見せかけた不幸(未編集) 一方通行主体のSS 告白物? ☆もしもカエル医者とアレイスターが女医と女性総括理事長だったら~(未編集) アレイスターと冥土返しのお話 ヒノ☆タン(未編集) ヒノタン主体SS 彼女の日常を描くお話 ダメ☆オマ(未編集) 闇咲逢魔(女)主体のSS 上条に逢魔が助けを求める話 とある女医と総括理事 ~バルサミコス編~(未編集) もしもカエル医者と~の続き物? がんばれアレイスター 題不明(未編集) TSスレ1-594の書き込んだ幻想が発達・進化したSS リレー小説チック 神界突破SpiraAurea(未編集) ビア嬢初登場作品 投下ログ 1スレ目 2スレ目 3スレ目 ※投下ログ内のテキストをむやみに改訂することは、たとえ作者であってもご遠慮ください。 新しくページを作る際は、ページ名の先頭にTSスレSSまとめ/を入れることを忘れないようにしてください。
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ふと右を見ると視界に入るのは黒髪の頭。 自分が今顎を乗せているのは人の肩。 服越しに感じる背中は暖かくて、ある程度筋肉が付いてるという事が服越しからも分かった。 これらの状況を総合して考えてみた。 …自分は見知らぬ男性にオンブされている? 「うわぁ!えっ!?ちょっ?」 赤面して慌てだすスバル。 その様子からは先ほどの戦闘の勇ましさは微塵も感じられない。 彼女だって年頃の少女。 若い男性にオンブされたら当然恥ずかしいだろう。 そんな彼女の様子を知ってか知らでか声をかけるブチャラティ。 スバルが恥ずかしがっている事に多分彼は気が付いていない…… 十五歳の少女に対して『トイレが無いから穴を開けた。誰も見てないからそこで用を足せ』と平然と言ってのけた男だ。 女性に対するデリカシーなど彼には関係の無い事なのだろう。 「起きたか」 「はい。え~っと、貴方があたしを助けてくれたんですか?」 問いかけに対してブチャラティは返事を返さなかった。 スバルはそれを肯定として受け取る。 「もう一つ聞きますね。倒れてる親子はどうなったんですか?」 「俺が救急車を呼んでおいた。見る限り命に別状はないだろう」 その返事を聞いて安心するスバル。 だが、一つの事を思い出し戦慄する。 「ちょっと待ってください!あの親子は狙われてるんです! あたしが戻って警護しないと!」 先ほど襲ってきた男。 彼の脅威は早々忘れられるものではない。 スバルは必死な口調でブチャラティに訴える。 「大丈夫だ。ヤツが君やさっきの親子を襲う事は無い……永遠にな」 スバルは安堵した。 しかし心の底で何かが引っかかっている。何かが。 しばしの思考。 そして彼女は理解した。 ブチャラティの言った“永遠”という単語、そして先ほどの沈黙。 つまり彼は―― 「貴方は…貴方はあの男を……」 声が震えてここから先が言えない。 彼の返事がどうであれ、言ってしまったらもうあたしの中では確定事項になるだろう。 自分を背負っている男、彼が人殺しであるということは。 できれば返事を聞きたくはないと思った。 だけど真実を知る義務がある。見てみぬ振りをして生きてゆく事などスバルには不可能であった。 なのでスバルは勇気を振り絞って尋ねた。 「殺し…ましたね?」 言ってしまった。 ドラマの刑事達が現実にいたら常にこんな思いをするのだろうか? 心臓の鼓動が止まらない。 先ほどの戦闘よりも汗が酷い気がする。 怖い怖い怖い 目の前にいる恩人であろう人が、あたしを助けるために人を殺したと考えるのが怖い。 犯罪者とはいえ、自分の弱さの所為で人が死んだというのは認めたくない。 体が震えて足に力が入んない。 お願いです……早く返事をしてください。 私の心が潰れてしまう前に。 男の人が私を背中から降ろす。 降ろした後に振り返りあたしと対面する。 あたしの身長より高い位置から私の顔を見つめてくる目はとてもまっすぐだった。 「ああ、俺がヤツを始末した」 “始末”この言葉を聞いた途端、あたしの目の前が真っ黒になった。 やっぱり目の前の人はあの男を殺したのだ。 あたしからこの人に何と言うべきなのだろう? この人殺し?助けてくれてありがとう? 違う。 そんな事を言うべきではない。 今、最優先で聞くべきことはこれだ。 「なんで…なんでその人を殺したんですか?」 「何でだって?俺はギャングでアイツは抗争中の組織の組員。 この世界にいる以上、殺し殺されは当然だろ?」 人を殺したことを平然と肯定された事に焦りの色が隠せないスバル。 初めて会うタイプの人間に対して何と言っていいのか分からなかった。 「でも……」 なんとか反論しようと口を開いたが言葉が出ない。 そんな彼女に対してブチャラティは問いかける。 「俺に噛み付くのもいいんだが仲間のほうは大丈夫なのか? さっきから寝言で『ティア』って名前をずっと呼んでたぞ」 ブチャラティの言葉にハッとするスバル。 目の前に出てきた男と謎の能力。そして、その男を屠り去ったもう一人の男 生まれて初めて出会う事態の連続に彼女はパートナーの危機を忘れていた。 「ごめんねティア。今すぐ向かうから」 この場にいない彼女に謝罪して、デバイスに魔力を込める。 込めながらスバルはブチャラティを見た。 さっきの男の話が本当なら、ティアもまだ負けては無いだろうが結構ピンチなはず。 しかし、あの男に負けてしまったあたしだけで行っても大丈夫なのだろうか? 先ほどの敗北が軽く心に住み着いてしまっている。 この男の人。 あたしが勝てなかった相手に無傷で勝利したらしい。 戦力としては申し分ないだろう。 ―――だけど この男が再び相手を殺さない保証は無い。 あたしは気絶していたせいか、ショックは受けたものの今では少し落ち着いてきてる。 でも目の前で人が殺されるのを見たら? 別に人が死ぬのを見たことがあるわけではない。 実際にあたし達の職場は人の生死を賭けたものだ。 当然、全ての人を助けられるわけでもなく、今までに何度も挫折しかけたがその度に立ち上がってきた。 だけどやはり殺人は別物だと思う。 人が人を殺す。 それは悪人相手でもあたしは許せるものでは無いと何となくだが感じている。 それでも……ティアの安全には変えられないのかな? 最低なエゴだって事は自分でも分かってる。 だけどやっぱりパートナーとして友人として彼女を見殺しにするわけにはいかない。 覚悟を決めたスバルはブチャラティに話しかける。 「今からさっきのヤツの仲間のところにいくんですけど……一緒に来ますか?」 「そりゃ、俺としては是非とも付いて行かせて貰いたいが……いいのか? さっきも言ったが俺は人殺しだぜ?」 「殺人を許す気にはなりません。けど、なんとなく貴方はいい人だと思うんです だから……できれば次は殺さないでくれませんか?」 強い意思を瞳に宿らせたスバル。 ブチャラティはその瞳の中に確かな正義を見た。 ジョルノやミスタ、トリッシュにフーゴ。そしてアバッキオとナランチャ。 かつてのチームメイト達とよく似た瞳の輝きを―― 「分かった、出来る限り殺さないように努力はしよう。 ……おっと、そういえば自己紹介がまだだったな。 俺の名はブローノ・ブチャラティ。まぁ好きな風に呼んでくれ」 「あたしはスバル・ナカジマです。よろしくお願いしますねブチャラティさん」 そう言って自分の右手を差し出すスバル。 ブチャラティに協力を取り付ける。それも極力殺しは無しでという好条件でだ。 完璧というわけではないが、ある程度上出来であった交渉に満足げな顔は隠し切れなかった。 差し出された右手を掴むブチャラティ。 「じゃあ、行きますね!」 今度は逆にスバルに背負われるブチャラティ。 想像してほしい。 身長180センチ近い二十歳の男性が155センチの少女に背負われる姿を。 正直滑稽なんてレべルでは無かったのだが悲しい事に本人たちは至って大真面目だ。 こうして夜の街をスバルは走って行く。 背中にブチャラティを乗せて。 ☆ ★ ☆ スバルに念話を送ったティアナはサーレーと対峙していた。 周りには倒れている隊員が五人、サーレーの足元には隊長。 計六人を完全に人質をとられている状況にあるティアナ。 動くに動けない彼女に対してサーレーは余裕の表情で話しかける。 「いい加減話してくれてもいいんじゅあねぇか? 大丈夫、お前の仲間にも絶対に危害は加えないぜ?」 不利すぎる彼女にに交渉を持ちかけるサーレー。いや、これは交渉などではない。 教えなきゃ仲間の命も保障しないという只の脅しだ。 「あのさぁ。俺は女とやりあうのとかあんまし好きじゃないんだよ。 喋ってくれたら誰にも怪我させないからさ。いいだろ?」 前半の軽い調子から急に声のトーンを変えるサーレー。 恐らく前者は本心であろう。 しかし、彼の本性が現れたのは後者である。 やりにくい相手でも敵であるならば容赦しない。 ミッドチルダへと来る前は只のチンピラであったサーレーだが、ギャングとしての資質は十分にあったようだ。 「あなた頭脳が間抜け?こっちも仲間に手出しされて物凄く腹が立ってるの。 今更そんな脅しに屈するとでも思ったわけ?」 先ほどまで挑戦していた時間稼ぎは既に諦めている。 彼女がどんな質問をしようとも相手は親子の居場所を教えろの一点張り。 いつ仲間に手出しされてもおかしく無いこの状況だったので、相手の気を引こうと挑発をするティアナ。 「ワリィが挑発に乗る気はねぇぜ? 一度調子に乗りすぎて痛い目に遭っちまったからな」 ティアナの挑発にも至って平然とした様子で返事をするサーレー。 自身のスタンドに対する絶対の自信。 己の精神力を糧としているスタンド使いにとっては自分の能力に自身を持つのはとてもプラスとなる。 だが、行き過ぎた自信は判断力を鈍らせて敗北へとつながる。 グイード・ミスタとの戦いで得た経験を元に彼は慎重になった。 今の彼には油断も慢心もほとんど無い。 ――そう、ほとんどないという事は一応は持っている事となる。 残念ながら人間の本質というものは生涯変化しないというのが普通だ。 つまり彼がいくら改めようとしても、何処かに隙は出来てしまうのである。 この場合の彼の油断は、倒した隊員達をクラフト・ワークで地面に固定しなかった事。 ティアナの銃口がこちらを向いていなかったので全く警戒しなかった事だ。 銃口を背後へ向けるティアナ。 明らかに不審な行動であるのにサーレーはそれを気に留めない。 ゆっくりと引き金に手をかけるティアナ。標準は自分の真後ろにある家。 出来る限り目立たないようにコッソリと溜めていた魔力弾。 今までのスローな動作とは真逆、神速で引き金を引いたティアナ。 オレンジ色の魔力弾が銃口から発射されターゲットへと飛ぶ。 サーレーが飛んでゆくそれに気が付いたときはもう手遅れ。 火事によって脆くなった家がその衝撃に耐え切れるわけも無く…… 失敗した達磨落としの如く着弾地点から見事に崩れ去った。 発生した煙に紛れ込むティアナ。 これでサーレーは完全に彼女の姿を見失う事になる。 普通ならそこで彼女を探そうと血眼になり煙の辺りを凝視するであろう。 それでも彼は慌てない。 罠の可能性を懸念して彼女を迎撃する体勢をとる。 冷静にスタンドを発現させて小石を拾わせた。 只の小石であろうとも近距離パワー型が投げれば必殺の兵器へと変わる。 彼のスタンド、クラフト・ワークの精密動作性は他の人型に比べるとやや劣るのだが、人間に小石をぶつける位なら容易い。 続く膠着状態。 もし気絶している隊員が目覚めたとしても何も出来ないであろう緊迫感。 どちらが先に折れるのか? そんな疑問は考えるまでも無かった。 煤まみれの姿で家から飛び出すティアナ。 髪の毛も肌も真っ黒で目も当てられない姿になりながらもデバイスを構える彼女を小馬鹿にするサーレー。 「おいおい。策も無しに燃え盛る家に突っ込んだのかよ? お前こそにクサレ脳みそなんじゃないか?」 反論の余地が無い。 だからティアナは言葉ではなく行動で示した。 デバイスから放たれる魔力弾達。 先ほどの一撃からごり押しではどんなに魔力を込めようと無駄だと悟った彼女は、威力を殺してでも連射に集中する事にした。 少しの時間差はあるといえど視界のほぼ全てを覆う魔力弾。 その光は真夜中であるはずの庭を明るく照らし上げた。 目の前に迫る橙の壁。 サーレーはあくまでも冷静に手に持った小石を大きく振りかぶり――――― 思いっきり上へと投げ飛ばした! 不思議そうな顔をしながらも勝利を確信した笑みを浮かべるティアナ。 彼女はまだ理解していなかった。スタンド、クラフト・ワークの能力を。 自分の魔力弾が何故草程度に止められたのかを。 空中五メートル程の位置で制止する小石たち。 石を投げ終えた直後にクラフト・ワークはサーレーの背後に回る。 そのまま寝そべった人を腕の中に収める形、いわゆるお姫様抱っこの体勢でサーレーを抱えたクラフト・ワーク。 完全に腕の中にサーレーを収めた後、ゆっくりと膝を曲げる。 魔力弾の到達まで残り数秒。 関節の限界まで膝を曲げきったクラフト・ワーク。 そして、曲げいた足の力を全て使って………跳躍した。 足を伸ばしきったポーズのまま中を舞う。 小石の上に着地。 ほぼ同時に丁度一メートルほど下を魔力弾が駆け抜けた。 「残念だったなぁ! ところでお前らの隊長は大丈夫なのかな?さっきの魔力弾がモロに当たっちゃったんじゃないの?」 攻撃をかわした余裕。 敵の切り札を完全に潰した高揚感が彼を饒舌にさせた。 調子に乗り切ってるサーレーを見ながらティアナは冷たく言い放つ。 「大丈夫よ。非殺傷設定にはしてるし、気絶してるから痛みも感じてないんじゃない? むしろいい目覚ましになったかもしれないわね」 冷たく言い放った彼女の様子に酷く驚くサーレー。 見るからに甘ちゃんだったさっきとは違う。 コイツは俺を倒すために味方を切捨てる覚悟がある! 彼は心の中でティアナの評価を修正した。 「それと……アンタの能力は大体分かったわ。 “物を空中に固定する”こんな感じの能力でしょ?」 「さぁな。自分のスタンド能力をそうそうばらして貰えるとでも思ったのか?」 いつに無く真剣な顔をするサーレー。 スタンド能力を解除して再び重力に縛られた小石と共に落下してゆく。 ふわり、ジャンプするときと似たようなポーズで地上に戻ってきた。 ん? 何かが違う気がする。 目の前の女の姿はさっきと全く変わっていない。 だが、景色に致命的な違和感を感じる。 このモヤモヤの正体は何だ? そこで気が付いた――― いないのだ。 奴らの隊長も、気絶していた連中も。 あの女が助けたのか? いや、ありえない。 ヤツはずっと俺と対面していた。 仲間を助けるために動き回れるはずが無い。 やっぱりヤツの仲間か? 訳がわかんねぇ…… ★ ☆ ★ ここからは家に突入後の出来事をティアナ視点で振り返りたい――― 燃え盛る家の熱があたしに襲い掛かる。 バリアジャケットは防火服として働いているが暑いものは暑い。 でも、ここで出て行くわけには行かないんだ。 ヤツの能力は謎。 人型をしてた事とスタンドと呼ばれた能力である事。 草を毟る動作の素早さから、人間を遥かに凌駕していることは分かった。 だけど、ファントムブレイザーを止めたアレがなんなのか見当も付かない。 これから総合したあたしのやるべき事は三つ。 近接戦闘が得意なスバルが来るまでの時間を稼ぎつつ、隊員を救助する。 ……そして、やつの能力の謎を解き明かす。 頭の中で作戦を組み立ててゆく。 あたしの手駒。相手の思考、戦力。倒れていた味方の位置。 現在の情報を些細な事まで叩き込み整理する。 出来た。 ただしこれは大きな賭け。 この作戦が成功してもあたしの魔力は間違いなく空っぽになる。 だから、救助成功からスバル到着までにグループの皆が起きないと終わりだ。 けど……この男を見逃す訳には行かない。 煙に紛れて脱出。 近くにある木の陰に紛れてフェイクシルエットを発動。 同時に、煙で隠れている隊員たちをデバイスから打ち出されてゆくワイヤーで釣り上げる作業を開始。 魔方陣から生まれてきた自分の幻影を再び家の中に潜入させる。 ふと自分の腕を見てみた。 煤まみれである。 幻影に煤は付けただろうか? いや、絶対に付けていない。 アイツはそれを不審に思うだろか? ……分からない。 だけど、万全の姿勢でこの作戦は行わなくてはならない。 意外な盲点に気が付いて大慌てで自らの幻術に煤を付けた。 煙が薄れてゆくのを確認。 既に隊長以外の全隊員の救出に成功したが、隊長は男の足元なので気づかれずに救出できない。 だが、それは承知済み。 隊員を救出した事を悟られないため、幻影を隊員達が倒れていたのと逆方向から脱出させる。 相手が馬鹿にしてくるが無視。 あたしだってその位は気が付いてるに決まってる。 かなり舐められたものだ。 幻影の魔力弾を打ち出す。 低威力とはいってもこれだけの量を一気に打ち出すのは至難の技。 普通の魔導師なら違和感を感じるだろう。 普通の魔導師だったら…… 「お前もスタンドが見えるんだな」 さっきあの男が言ったセリフだ。 何気ない発現であろうそれに、男の素性を一つだけ見つけることが出来た。 “お前も”という事は普通の人には見れないが、一部の人には見ることが出来るという事だ。 その一部というのは誰であろうか? 状況的に考えてあたし達チームしかありえない。 では、あたし達チームと一般人の違いは? これも簡単な問い。答えは魔法が使えるということだ。 つまり、あの男は魔道師相手にスタンドを見せた事が無い。 魔導師との戦闘は今回が初めてであるという事だ! だからこの時ばかりはリアリティよりもハッタリを優先させた。 その賭けは成功。 まさか避けられるとは思わなかったが時間稼ぎになったので結果オーライ。 隊長も問題なく救出に成功。 ……あとスバルの救出待ちね。 安心しすぎて気が抜けたか、魔力が底を尽きたのか幻影が消えた。 「!?」 慌てて何とかするも既に手遅れ。 どうやら相手側に気付かれちゃったみたいね…… ★ ☆ ★ 急に目の前から溶ける様に消えていったティアナ。 サーレーは理解した。 さっきから自分は幻影に踊らされていたということを。 「はめやがったな畜生!」 イラついた様子で庭木に八つ当たりするサーレー。 怒りに任せたクラフト・ワークの一撃。 当然哀れにも殴られた木は真っ二つとなった。 「俺が見た限りだと親子を連れたヤツは裏から出たって事だよな?」 返事をするものは誰もいない。 気にせずに自己解決により家の裏手へと回ろうとするサーレー。 魔力は空。体術には自信が無い。 状況は圧倒的に不利、いや、自殺以外の何者でもない行動であった。 それでも時間稼ぎのため、隠れていた木の陰から飛び出して彼の前に立ちふさがったティアナ。 ティアナの姿を確認したサーレーが吼える。 「おい!また幻影だとはいわねぇよな?」 「ええ、もちろん。あたしは本物よ?」 返事を聞いて満面の笑みを浮かべるサーレー。 彼の笑顔にティアナは体が硬直してしまう。 笑顔では隠しきれない……むしろ笑顔によって内なる怒りが強調されているようだった。 「さっき女とは戦いたくは無いって言ったがな前言撤回だ。 今はお前をぶん殴りたくてたまらねぇ!」 叫ぶやいなや、ティアナの腹にクラフト・ワークによる右ストレートが決まった。 「がっ!ごほっ!ごほっ!」 「大丈夫、死なない程度に遊んでやるよ。 俺の怒りが納まるまではな!」 咳き込みながら、胃袋の中身を吐き散らすティアナ。 だが、サーレーは許す気配が無い。 「おらぁ!もう一発ッ!!」 今度も腹。 胃袋の中には吐き出すものが残ってないティアナは次に吐いたものは血であった。 「ふぅ、女をいたぶるのは趣味じゃなかったんだが案外楽しいかもしれねぇな」 下卑た笑いが顔に張り付いているサーレー。 「あん……た…最低………ね…」 息も絶え絶えになりながらも屈することなくサーレーを罵る。 (ごめんねスバル。今はあたしがサンドバッグになって時間を稼いでるけどそろそろ限界みたい。 あぁ、あたしの夢は結局叶わないのかな?ごめんね兄さん……) もう何発殴られたか分からない。 バリアジャケットがあろうとも近距離パワー型の力には耐え切れない。 ボロボロのティアナに止めを刺そうと右手に力を込めるクラフト・ワーク。 「あばよ!あんたみたいな美人は出来ればプライベートで関わりたかったぜ」 死が近寄ってくる。 覚悟を決めたティアナは目を離さない。 これが彼女の最期の抵抗。 飛んで来る拳。 死の間際には世界がスローに見えるという話は本当だったらしい。 実際は光速で飛んできてるであろうそれがハッキリと視認できた。 ゆっくり、そして確実にあたしに訪れる死。 賭けはどうやら負けみたい――― 視界の右側に何かが映った。 スローモーションであたしの視界の中央にやってくるそれは人の腕。 そして、その腕があたしの眼前に迫っていた死を食い止める。 助かった。 その事を確認すると共に世界がスピードを取り戻す。 朦朧とした意識の中で見たもの。 それは、こちらへ駆け寄ってくる友の姿。あの男と対峙する謎の男。 現状を把握しようとするも頭が働かない…… 『スバル……怪我…しな…い………でね……』 伝わったかどうかも分からないメッセージを最期にあたしの意識は途絶えた。 To be contenued…… 戻る 目次へ 次へ
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ロリコンとは何か? 辞書的な意味ではロリコンとは、幼女や少女に対して抱く男性の性的嗜好、もしくはそういった性癖を持つ人物の事を意味する。 おそらくこの少女の求める答えはこういった明確な意味の回答なのだろうが、果たしてこの事を告げるのはなんとも憚られた。 というより………、 (なぜそのような事を聞いてくる? 一体何があったんだ?) 思考の海にいくら沈もうと答えは出ないし、もちろん状況を打破する事もできない。 窓の外に見える夕日は、そんな彼の姿を嘲笑うかのように悠々と沈んでいった。 リリカルなのはARC THE LAD 『第二話:ミッドチルダの車窓から(前編)』 「なかなか見つからねぇな………」 情報端末を操作しながらエルクはつぶやいた。 場所は自分のアパートの一室。 窓からは朝日が差し込み手元には自分で淹れたコーヒー。 一見清々しい朝の風景のようだが、当の本人は大分疲れた様子である。 普段は勢いよく立ち上がっている髪も、心なしか幾分萎びている様であった。 その原因は昨日受けた依頼にあった。 今エルクは二つの依頼を受けている。 その内の一つであるお届け物、その届け先のティアナ・ランスターの情報を得ようとしているのだがなかなかうまくいかない。 「もっと詳しく言ってくれよな………」 生憎会話する時間が少なすぎて分かるのは唯一名前のみ。 一応依頼者であるティーダと呼ばれていた男から、取り上げたまま持ち帰ってしまったデバイスが有るには有るが、知性型ではなかったため専門の機材がないと情報を得られない。 そのため悪いと思ったが依頼品の手帳の内容を見て、おそらくティーダと兄妹の関係にあるであろうと判断し今検索しているのだが、普段使い慣れていないエルクには大変な重労働であった。 というのも、複数の次元世界の情報の集積地であるミッドチルダの電子の海は途方もなく広大であり、まるで砂漠に落ちた針を探すような徒労感ばかり募ってゆくからだ。 こういった類のものは専門の情報屋に頼るのが一番であるが、荒事専門であったエルクにそんな知り合いは殆どいない。 (シュウならこういうのに詳しいんだが、今はもう一つ依頼があるからなぁ………) どうしたものかと悩ませていると、不意に部屋のドアの開く音がした。 「あの………、おはようございます」 「キュクルー」 現れたのはエルクの受けているそのもう一つの依頼の依頼主である桃色の髪の少女と銀の幼竜。 依頼内容は彼女達の保護である。 「ああ、おはよう。えっと………キャロだったっけ? 起きてすぐに悪いんだが詳しい話を聞かせてくれないか?」 昨夜空港で軽く話を聞いた際にエルクが知った事は、彼女達の名前と管理局に無理やり連れ去られたという事。 この時点で先程の黒服達の話を思い出したエルクは、彼女の依頼を受けてとりあえず自宅に保護したわけだが、事の詳細を聞く前に気が抜けたのか彼女らは寝入ってしまったのだった。 「詳しい話ですか? 何を言えばいいんでしょう?」 「どうしてさらわれたのか、その経緯を教えてくれないか?」 「経緯、ですか………」 エルクの言葉を受けると、少し顔を俯かせながらキャロはポツリポツリと言葉を紡いでいった。 まるで思考を過去へと遡らせるように、世界が変わった、そのときの事を。 ◆ 第6管理世界、その一地域であるアルザス、ここでは古くから竜が神として祭られてきた地だ。 その信仰の恩恵なのか力があるから信仰していたのかは定かではないが、この地では竜を呼び出し使役する「竜使役」という力を持つ者が少なからず存在している。 少数民族「ル・ルシエ」、その中に生まれたキャロもまた、特殊な力が使えるという事を除いては他と全く変わらない普通の子供であった。 ただし、その力は自身が持て余すほどに強大で、あまりにも暴力的であった。 他とは一線を画す力を周囲の人間は、黒き竜の力、災いを呼ぶ力として恐れ拒絶した。 伝統や慣習に縛られ、柔軟な発想のできない彼らには、キャロを受け入れるだけの心のゆとりなど存在しなかったのである。 しかし、唯一祖父だけは神に近い巫女たる力だと庇ってくれていた。 そのおかげもありキャロは祖父ヨーゼフの庇護の下、他者の思惑に触れることなく健やかに育っていった。 だが永遠のものなどなく、祖父により守られてきた平穏はやがて、ある日突然終わりを告げる。 その日はいつに無い快晴であり、吹き付ける涼やかな風に、キャロは今日もきっといつもと同じ穏やかな一日が過ごせると思っていた。 肩には自分で孵した竜フリードリヒを乗せ、祖父の洗濯の手伝いをしていた時、不意に空が陰ってきた。 不思議に思い見上げた空、そこには天を覆うようにして浮かぶ鋭利な形状をした巨大な無機物。 キャロは今までこのような存在を見たことは無かったが、何か良くないものが来たような気がしてならなかった。 「キャロ、中に入ろう、何か嫌な予感がする」 祖父もキャロと同じ気持ちだったのだろうか、キャロに呼びかけると隠れるように家の中へと入っていった。 そして、それからしばらくしてのことである。 「お邪魔するよ」 声のした方を向くと、そこに居たのは入り口に立つ長老と、見慣れぬ幾人かの黒服の男達。 「長老、いったいどうしたのじゃ?」 「………この娘です」 祖父の問い掛けには答えず、長老は黒服達をキャロの方へと促した。 男達は無言で家に入ってくるとキャロの周りに機材を並べ始める。 「なんじゃ、お前達は、何を………?」 詰め寄ろうとする祖父を長老は手で制した。 「二人だ。この数が何を意味するか分かるか?」 「何の話を?」 「ヨーゼフよ、彼ら異郷の者達は竜使役の力を求めている。もう二人連れて行かれた、これ以上長老として我が民の犠牲は出せん」 「長老、まさか………」 「一番力の強いキャロを差し出せば、もう我らに構うことも無いだろう」 「まさかそんな理由でキャロを売ったのか? あれだけ虐げておきながら犠牲になれと!?」 瞬く間に次々と積み上げられていく機材に、やがてキャロの姿が見えないほどになった。 「おおー! こ、これはすごい。ここを見てください。この少女の能力は未開発ながら、こんなに高い数値を示しています。全く素晴らしい………、使えますよこいつは」 「待て、この子に何をするつもりだ!?」 「じじい、邪魔するな!」 祖父は長老の制止を振り切り歩み寄るが、それは黒服に突き飛ばされ叶わなかった。 「おじいちゃん!」 キャロは悲痛な声を上げ近寄ろうとするも、黒服に抑えられて動けない。 黒服の一人は祖父に近寄ると、上から見下すように冷酷に告げた。 「何をするかだと? ふん、貴様には分らないだろうが言ってやろう。こいつは管理局の兵士として新しき人類となるのだ。このガキも恒久の平和の礎となれば本望だろうよ」 「おじいちゃん! おじいちゃん!」 「グルルルル!」 キャロはなおも祖父に駆け寄ろうとし、そんな彼女の不安な心を反映してかフリードは黒服の一人に飛び掛る。 しかし………、 「勝手に動くな」 黒服がつぶやくと同時、突然現れた光の輪のようなものに共に拘束されると、一切の身動きが取れなくなった。 そしてそのまま追い立てられるように、キャロ達は家の外に連れ出される。 非難の声を上げようとした時、キャロはふと横に居並ぶ人達に気付きそちらを見た、見てしまった。 道の脇に佇みじっとこちらを見てる大人たち、彼らのキャロを見る目は連れ去られる事に対する同情でも哀れみでもなく、――安堵である。 やっと余所者が消えてくれる、そんな様子で皆止めようともせず、連れ去られようとするキャロをただ眺めていた。 まるで他人事、連れ去られようとするキャロには何の関心も払いはしない。 その光景を見たくなくてキャロは目を閉じた。 だが、代わりに耳に入ってくる大人たちの囁きは、自分の想像を確信させるものでしかない。 このときになってようやくキャロは自分が嫌われた存在であり、部族の一員として認められていなかったのだと判った。 そしてそのまま、深い悲しみの中で住み慣れた村から連れ出されたのだった。 ◆ 「そうやって連れ出された後、いろんな研究所に移されて何度も検査を受けました。そして昨日、また別の施設に移されるために次元を超える船に乗せられて、空港に着いたら急に建物が揺れて………」 「その隙に逃げ出して俺と出会ったってわけか」 「はい。………村の外で優しくされたの初めてだったから、すごくうれしかったです」 痛々しい表情のキャロを見て、エルクは何とかしてやりたいと思う。 「じいさんの所へ帰りたいか?」 だが、その言葉にキャロはさらに表情を曇らせてしまった。 「………いえ。おじいちゃんに迷惑を掛けてしまいそうですから………」 「そうか………」 強大な力を持つというだけでキャロを忌避していた村である、その排斥は当然祖父にも向かっていただろう。 戻れば必ず迫害される、それ以前にそもそも村に再び受け入れるかも疑わしい。 それに逃げたとなれば、元の村に当然さらった連中の手は伸びる。 強引にさらうような奴等だ、庇えば何をしてもおかしくはない。 加えて、別世界の移動には必ず管理局の厳しい目が入るのが通例だ。 にもかかわらず奴等が検査を素通りしたという事は、管理局の名を騙る犯罪組織などではなく、管理局の裏の顔であると考えられる。 管理局に関する黒い噂は今まで幾つか聞いたことがあるが、所詮噂の粋を出ないものに過ぎないと思っていた。 しかしこうして本人から聞くと、それらの噂も事実ではないかと勘繰ってしまう。 表向きの正義と大義を盾にした、この非人道的な事がどれほど管理局の深くに組み込まれているかは判らない。 もちろん理念ある局員が殆どだとは思うが、やはり管理局との接触は出来る限り避けたい。 そのため管理局に頼み込むという、まっとうな方法では別次元には移動できなくなった。 となるとキャロを元の世界に帰す選択肢が選び難い今、これから彼女を安全に保護する方法はミッドチルダ内、それも管理局の影響の薄いところに行くしかないだろう。 だが、そういった場所は大抵治安が悪い廃棄都市か、そもそも住めないような極地である。 当然そんな所でキャロのような少女が暮らしていく事は極めて難しい。 「だったらキャロが安心して暮らすには、ギルドが幅を利かせている所に行くのがいいな」 「そんな所あるんですか?」 「ああ、俺の知り合いが居るインディゴスって所でな、少なくとも管理局にまた捕まる事はないと思うぜ」 エルクが知る限りで条件を満たす場所は、知人の住む町しかなかった。 そこも特別治安の良い所ではなかったが、ギルドが取り締まっている分いくらか安全である。 おまけに情報を得るのにも都合が良い、問題を一挙に解決できる方法だ。 「そんな所があるなら行ってみたいです」 「そうと決まればさっさと行こうぜ、早ければ早いほど追手は来難いだろうし」 そこで話を打ち切ると二人と一匹は支度を始める。 ただ目的地へと向かうだけ、簡単な旅となるはずだ。 ◆ 夜とは対照的に昼の大通りは活気に溢れている。 その通りの発端、行きかう人波の中心、それがレールウェイの駅である。 そこには凄まじい人だかりが出来ており、その中にはエルク達の姿もあった。 「凄い人数ですね。お祭りでもあるんですか?」 「休日ってのもあるが、昨日空港が焼けたせいだな」 エルクは切符を注文しつつキャロの質問に答える。 休日を利用して遊びに来ていた者は意外と多かったらしく、人の群れの中には旅行鞄を抱えた者が多数見られた。 「そういえばエルクさんの荷物はどこに行ったんですか? 色々用意してたみたいですけど」 エルクは服の上から暑苦しそうな外套を纏っているだけで、先刻まとめていた手荷物の類は見当たらなかった。 「服にいくつか収納スペースがあるんでそこに入れてるんだ」 動きやすいしな、と付け加えてエルクは改めて人波を見つめる。 異常な人数に、大変な時期に重なったものだと苦笑すると、キャロが迷わぬように注意しつつ駅へと進んでいった。 「………なんですか………コレ」 「キュゥ………」 エルク達が今居る駅のホーム、ソレは彼らの目の前に確固として鎮座していた。 大型輸送リニア『グラウノルン』。 古代の巨大列車と同じ名を冠すこのリニアは、その名に恥じぬ巨体に威厳を纏い、まるで見るもの全てを威圧しているようであった。 路線に対して不釣合いのサイズではあるが、そんな見た目の鈍重さとは裏腹に、最新の魔法技術とAI制御により、そこらのレールウェイ等より遥かに速い。 「こんな馬鹿でかいリニアは他に無いだろうから、驚くのもまあ無理ないな。とりあえず中に入っちまおうぜ」 おっかなびっくりなキャロの手を引きエルクは車内へと進む。 内部は当然のごとく広く、通路は二人並んでもまだ人とすれ違えるほどであり、両脇に並んだ個室と壁に施された質素な装飾は、照明と相成って柔らかで落ち着いた印象を受けた。 そんなホテルの様な車両の中ほど、そこにエルク達の座席があった。 部屋の前後には大きくゆったりとしたソファーが備え付けられており、中央に置かれたテーブルには鮮やかな装飾が成されている。 高級な席であることは一目で判るほどに明らかだった。 「あの………、エルクさん」 「なんだ? 腹でも減ったか?」 「いえ、そうじゃなくて………、まあ、確かにお腹は空きましたけど」 「じゃあなんか頼むか」 車内通信で食事の注文を始めてしまうエルクに対し、キャロは急いで訂正する。 「そうじゃなくて、こんな高そうな所でいいんですか?」 「ああ、その事か。今日は人が多かっただろ、そのせいでこういう席しか空いてなかったんだ。くつろげなかったらゴメンな」 「い、いえ! そんなことないですよ」 キャロが急いで否定するとほぼ同時、大きな音でベルが鳴り響く。 出発の合図だ。 ◆ 坦々と流れてゆく都市区画のビル群を横目に、エルクは先程運ばれてきた料理に手をつける。 だが正面に座るキャロは、何かを考え込む様にじっと皿を見つめていた。 横でフリードが物欲しそうにして肉料理を眺めているのだが、それも全く目に入っていないようである。 やがておずおずと顔を上げると、エルクの方を申し訳なさそうな顔で見上げた。 「どうして………ここまで良くしてくれるんですか? わたしは何のお返しも出来ないのに………」 「もしかして、さっきからずっと黙ってたのはその事を考えてたからか?」 エルクが手を止めてキャロの方を見ると、キャロはその通りだと言わんばかりにコクコクと頷いていた。 「んー、なんていうか俺も似たような境遇だったからかな」 「似たような境遇?」 「俺も六年前にシュウ―――これから行く所にいる人なんだが、そいつに拾われたんだ」 「エルクさんが………ですか」 「ああ。傷だらけで、昔の記憶全部無くしてて、シュウに出会ってなかったらのたれ死んでただろうな。だからもし自分と同じように行き場を失くした奴が居たら助けてやろうと思ってたんだ」 「そうですか………」 キャロは少し気兼ねしたようにしてエルクを見る。 「記憶無いんですか?」 「まあ、無くても生活に困らないからな。とりあえず冷めないうちに食事を終わらせようぜ!」 その場の気まずさを払拭すべく努めて明るく言うとエルクは食事を再開し、キャロもそれに習いようやく手をつける。 始終おとなしかったフリードはいつの間にか一皿勝手に平らげており、コロコロした玉のようになって満足そうに横になっていた。 しばらく黙々と食べ進め一段落したとき、思い出したかのようにキャロはエルクを見上げた。 「聞いてなかったんですけど、シュウさんって人もハンターなんですか?」 「ん? そうだぜ、俺にハンターの技術を教えてくれた人だ」 「ハンターってどういう仕事なんですか?」 「色々あるが俺がするのは大体荒事だな。指名手配犯の捕獲や依頼人の護衛、あとは最近急に増えてきた危険なモンスターの対処ってのもある」 エルクの答えにキャロは少し不思議そうな顔をする。 「モンスターって何ですか? 動物とは違うんですか?」 「モンスターってのは他時空からの外来生物、それも人間を襲う奴のことだ。魔法を使ってくる奴もいるから魔導師である俺達が処理するしかないんだ」 「処理って事は、やっぱり殺しちゃうんですか?」 少し悲しい顔をしてキャロが見つめる先には、幸せそうに寝転がるフリードの姿があった。 「………モンスターは次元移動なんて出来ないから、ミッドに居るのはペットや実験体として人間に連れてこられた奴らばかりさ。本来は被害者だが人間に危害を加える以上駆除するしかない」 すっかり暗くなった雰囲気にエルクは、話題を間違えたと今更ながらに思い顔をしかめた。 キャロは閉鎖された村に住んでいたというだけあり、何にでも関心を示し質問してくる。 話題に困らないのは良いが、どう答えてもキャロが喜んでいるようには思えなかった。 そもそもエルクはまだ一度もキャロが笑うのを見たことが無い。 感情の豊かなはずの年頃にもかかわらず、キャロの表情は老成しているかのように変化に乏しい。 ここまで感情を押し込めてしまうほどにキャロを傷つけてきた周囲への怒りで、エルクはなんとかしたいという思考は全て空回りしている様に感じるのだ。 楽しそうな話題を探してふと窓の外を見ると、車外の風景は画一的だった都市から無秩序に繁茂した緑の山々へと変わっていた。 「そうだ、ミッドの風景でも見てみないか? このリニアには確か展望台があったと思うし」 キャロがコクリと頷きフリードを抱きあげるのを見て、エルクも立ち上がり先導するように通路へと出た。 少しはこの雰囲気が払拭される事を望んで。 ◆ エルク達がしばらく歩いて行き着いた先、行き止まりとなる扉には貨物室と表示されていた。 「道を間違えたか?」 「反対側じゃないんですか?」 ろくに案内も見ず進んだせいである。 引き返そうと思ったとき、エルクは何か違和感の様なものを覚えた。 「妙だな」 「どうしたんですか?」 「防犯用レーザーセンサーが切られてる。これじゃ盗んでくれって言ってる様なもんだ」 いぶかしみ扉に軽く触れると僅かに開いた。 それと同時に何かを漁る音、くぐもったうめき声が漏れ聞こえてくる。 明らかに変だという思いから、エルクは隙間から内部を覗き込んだ。 荷物の積まれた棚の並んだ先、そこに数人の人影が見える。 中央には警備員と思われる数人が縛られて転がされており、その周りで四人ほどの男達が荷物を漁っていた。 (どう見ても強盗だよな………) ならば止めるべきとデバイスに手を伸ばしたが、急に強盗らしき男達の一人がこちらに向かって歩いてきたので、急いでキャロを連れて脇に隠れることにした。 入れ替わるようにのこのこと扉から出てきた男、エルクの中では既に強盗確定だが、その理由ぐらいは知っておくべきだと思う。 なぜなら、このリニアはかなり強力なセキュリティーを搭載している。 それを打ち破るにはそれなりの人員と機材が必要だった。 ただの物取りが狙うには割りに合わないのである。 エルクは極力気配と足音を消し、素早く滑るように男の面前へと飛び出す。 相手は驚いたような顔をしたが、もちろん声を出させるような隙など与えず、強烈なボディーブローを叩き込んだ。 抵抗するだけの気力を失った相手を暗がりに連れ込むと、後は極めて簡単である。 少しデバイスをちらつかせるだけで易々と口を割り、聞いてもいないのに全てを話す男。 そして………。 エルク達の今回の旅は簡単な物から一転して、厄介な事へと変わってしまった。 戻る 目次へ 次へ
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切り替わる仮面。 自らを映し出す心の鏡。 映るのは自分だけとは限らない。 02 Montage AM12 53 機動六課、隊長室。そこでは、現在重苦しい空気が流れていた。 「――で、この人に助けてもらったと」 「うん……」 世界が時間を取り戻し、六課のシステムが復旧した頃、なのはと青年は六課に保護され、現在部隊長であるはやてに事情を説明していた。 しかし、その内容はとても信じられるようなものではなく、はやては頭を抱えたくなった。 当事者の一人である青年は連れてこられてすぐは物珍しげに辺りをキョロキョロと見回していたが、今は大人しくなのはの隣で、フェイトとデスクに腰掛けたはやてに向き合っていた。 はやては青年の顔を見つめる。この青年も訳が分からない。 六課に保護したはいいが、何故か腰に銃を下げていた。質量兵器が禁止されているというのにどうやってそれを入手したのかは知らないが、押収してみるとその正体はアンティークのようなもので、弾丸は出ない仕様になっていた。 着ている制服らしき服はタイまで締められ、首から提げていたのは携帯型の音楽プレーヤー。 戦地にいたとしてはおかし過ぎる格好だ。浮世離れした奇妙な存在感を、彼は放っていた。加えて、 「シャドウに影時間、か……」 隠された時間。止まっていた時間。映像記録の繋がりの不自然さも物語っている。 確認した映像記録では、ほんの一秒前まで存在していなかった青年がなのはの隣に立っていたのだ。 自身も体験している以上、影時間というものの存在については認めざるを得ないだろう。 しかし、なのはの言う「化け物」はどうにも要領を得なかった。それを語るなのは自信も困惑した様子で、「手が沢山生えた影のような化け物」とこれだけだ。 しかしなのはの言葉からは嘘は感じられなかったし、隣の青年の証言も合わせて考えるに、それはどうやら事実であるらしかった。 証拠がないからと言って十年来の友の言葉を軽く扱うはやてではない。 シャドウと呼ばれる怪物にどう対応すればいいのか……。 鍵は、目の前の青年が握っているらしい。 AM12 00 時間は影時間に遡る。 「あの、さっきはありがとうございました」 「……気にしなくていい」 あの後、なんとか立ち上がったなのはは、彼に話を聞いていた。 彼が道に迷っていたこと、偶然なのはを見つけたこと。そして、影時間のこと。 「影時間?」 「そう。一日と一日の狭間に存在する、隠された時間。 この時間の中では特殊なものを除いて一切の機械が動かなくなり、人間も、一部の人たちを除いて、「象徴化」し、棺型のオブジェになる」 青年の話は胡散臭いことこの上ない。 しかし、異常なこの現状や、先ほどの恐怖が拭い去れずにいるなのはは、それ併せて考え、青年を信じることにする。 頷いて、続きを促した。 「その一部の人たちは、「ペルソナ使い」と呼ばれる。 僕がさっきして見せたように、精神の力を具現化させることができる、素質を持った人たち。 さっきの怪物…僕が「シャドウ」と呼んでいるアレは、その素質を持った人を襲う」 「それって……」 なのはの呟きに、今度は彼が頷いた。そう、と呟いて、言葉を続ける。 「あなたにも、ペルソナを使う素質がある」 青年の言葉から数分後、影時間が終わり、周囲があるべき時を取り戻し始めた。 ガジェットもこれまでと同じように活動を再開する。 ちょうど一時間前と変わらない光景に、なのはは気を引き締めると、レイジングハートをセットアップした。 「それは……?」 驚きに目を見開く彼に微笑みかけると、残るガジェットを殲滅すべく、なのはは空に戻って行った。 青年は、魔導師を見たことは無論なく、ましてやこの世界の常識が一切分からない。 とりあえず目の前の女性が壊している機械を見て、自分も参戦して手伝おうかと思ったが、どうやら必要なさそうだ。 一気に手持ち無沙汰になってしまった青年は傍若無人にもズボンのポケットに両手を収めると、戦闘を傍観し始めた。 彼女に話を聞かない限りは自分はここで行き倒れるかもしれない。 転生してすぐそれはごめんだった。ならばここはこの戦いが終わるのを待つしかない。 なのはとしても、青年が下手に動かない方がやりやすかったこともある。 しかしそんな判断がその事態を招いたのかも知れない。 なのはから遠く離れ、射程から離脱していたガジェットは、近くにいた青年の後ろに回り込むように旋回していたのだ。 なのはが気づいた時には既に遅く、ガジェットは青年に攻撃を仕掛ける寸前だった。 「危ない、後ろ!」 なのはの声に咄嗟に振り返った青年は、ガジェットの攻撃をかろうじて回避した。 なのはは安堵の溜息をつき、しかし彼の矛盾に内心首を傾げた。 何故あれ程の怪物を倒せておきながら、攻撃に参加しないのだろうか? 彼はただ単にこの世界がどういうものか分からなかったし、戦う必要も思い当たらなかったので手を出さなかっただけなのだが、それでも今の不意打ちには思うところがあったらしい。 ホルスターの銃を抜くと、その銃口を躊躇うことなく、自らの頭に向けた。 「何を……!?」 するの、となのはが言い終わる前に、そのトリガーは引かれた。体を銃身に、精神を火薬にして。 果たして放たれた弾丸は、彼の心の仮面。自らを守護する精神の鎧であり、剣。 「オルフェウス……!」 最も目を引くのは背に背負われた巨大な竪琴だ。 そして、異様に細長い付け根と、その先に円筒を取り付けただけのような異形の手足。 腹部にはスピーカーのようなへこみがあった。アンバランスなシルエット。 青年に似ているようで、細部で大きく異なる異人。 「あれが……ペルソナ」 現れ出でし幽玄の奏者は、その背に背負う竪琴を後ろに振りかぶると、か細い腕のどこにそんな力があろうかという勢いで、思い切りガジェットに叩きつけた。 凄まじい衝撃にガジェットは地面にたたきつけられ、外郭である装甲がひしゃげる。 その一撃はガジェットの内部に損傷をきたしたらしい、ガジェットの機能は完全に沈黙した。 実験とも言えるオルフェウスでの物理的な攻撃の結果は予想通り。 シャドウ以外にも、この世界の機械にペルソナの攻撃が通用することがわかった。 それだけを確認すると、彼は自らの内で心の仮面を付け替える。 更なる標的のガジェットを見定めると、再びトリガーを引く。知らず、彼の口元には微笑すら浮かんでいた。 放たれたのは、兜を頂く隻眼の男。北欧神話の主神、 「オーディン!」 マントと雷をその身に纏う雷神、オーディン。その姿はまごうことなき王者たる威光を放っていた。 オーディンはその手に持つ槍「グングニル」を天に掲げた。 万雷を孕む黒雲が辺りに立ち込め、周囲に雷鳴を轟かせながら雷を降らし始める。 「マハジオダイン」。強大な雷は周囲に散らばっていたガジェット全てを貫き、撃ち洩らすこともなく破壊していった。 大規模な雷の嵐が静まり、黒雲が消えうせると、オーディンの姿もそれに伴うように露と消えた。 彼は周囲を見渡すと、呆然としているなのはを見上げた。 「終わり?」 「う、うん」 あっけなくガジェットを殲滅してみせた青年の能力は、なのはの想像以上だった。 青年は銃をクルクルと手で回転させてみせ、ホルスターに収める。 気障なパフォーマンスだが、青年はそれを自然体でやっているらしい。見惚れるほどさまになっていた。 正直彼には驚かされっぱなしで呆然自失のなのはだったが、その後、とりあえず彼を保護するとともに六課へ帰還、事の経緯をはやてに説明し、今に至る。 「で、あの「力」はなんや?魔法か?」 はやての言葉は、青年に向けられたものだった。 映像記録に残されていた彼の戦闘の映像は、すでに眼を通していた。 常ならざる能力であることは確かだが、その正体は不明のままだ。 見た感じでは、キャロの召喚術に似ていないこともない。 彼は少し思案し、やがて首を横に振った。そして、一言だけ単語を口にする。 「ペルソナ」 「え?」 「『ペルソナ』という能力。シャドウに対抗し得る、唯一の力」 「……詳しく聞かせてもらえる?」 フェイトが続きを促した。はやても頷く。彼は逡巡する様子を見せた。 自分の中で考えを纏めているような感じだ。 「これは、僕の主観ですが」 やがて彼は自分の心臓の位置に手を置き、そう前置きしてから話し始めた。 「……皆さんの使う魔法とは、全く別のものです。 潜在意識にある心の力を具現化したもの。言葉に表すならそんな感じです」 ……ペルソナについて一通りの説明を終えた彼は、もう話すことはない、とでも言うようにポケットに手を収めた。 「つまり…別の次元から何かを呼び出す召喚術とは、違う召喚術ってことかな?」 フェイトの問いかけに、彼は頷いた。 「ペルソナは内なる心の力。引き出すのに必要なのは技術じゃない。 魔法は技術、ペルソナは能力。そう解釈してもらえれば分かりやすい。 召喚器で頭を打ちぬき、仮想の中で内なる力を引き出す。 安定した召喚を行うにはこのプロセスを行う必要がある。でも、必ずしも必要な訳じゃない」 青年は頭のこめかみに手で作った銃を押し当て、引き金を引く真似をした。 「……それで、君はなんでそんなに事情に精通してるんや?」 はやての質問は、核心を突くものだった。彼は物思いに耽るように眼を瞑ると、やがて口を開いた。 「……僕は、この世界の人間じゃない」 三人は一様に驚く。薄々、この世界の人間ではないのでは、と思ってはいたが。 職業柄、次元漂流者というものにはまま、遭遇することがある。 しかしその殆どは自分の身に何が起こったのか理解していない。 しかし彼は自分が別世界にいることを明確に理解していた。 彼は、自分と自分の居た世界、そしてここに来ることになった経緯を説明する。 「――その後、僕は気づいたらこの世界にいた」 ユニバースの力の事や、デスを封印してからの経緯の事など、自分が向こうの世界では死んだ身であることは黙っていた。 自分でもうまく説明できる自信がなかったし、何故か彼は、目の前にいる人たちに自分は死んでいたのだということを知られたくなかったのだ。 「んー、なんやとてつもない話やなぁ……」 「それじゃあ、なんでこの世界に影時間があるのかは、分らないの?」 「……はい、僕もこちらに来たばかりで事情がよく……。次は、僕の質問に答えてもらえますか?」 この世界について、彼はまだ殆ど何も知らなかった。 目にした魔法にも興味があったし、この世界を知ることは不可欠だ。 その後も情報交換のようなやり取りは続くが、当然のように話はペルソナに帰結した。 この世界に影時間とシャドウがある限り、その脅威を退けられるのはこの力だけなのだ。 「基本的にペルソナは一人一体。僕のように、同時に複数のペルソナを所持することができる人も稀に存在します」 「私たちがペルソナを出すには、どうしたらええの?」 「……多分、召喚器で頭部を撃ちぬくことで、僕と同じようにペルソナを引き出すことができます。 でも、不安定なままの力を無理やり形にして引き出すようなものなので、下手をすれば暴走する」 自分にも経験があるのでわかる。 暴走を避けて安定して引き出したいならば、自然に覚醒するのを待つしかない、ということになる。 そんな悠長な、とはやては言うが、こればかりはどうしようもない。 「それで、これからのことだけど……」 そんな中、フェイトが言い難そうに話を切り出した。 「しばらくはここで身元預かりってことになると思う。 自由な行動ができなくなるから、申し訳ないんだけど……」 「いえ、是非お願いします」 身一つでこの世界に放り出された彼にとっては、衣食住もままならない状況が好転したといえる。 フェイトはすまなそうにしているが、制限がつくとはいえ、身元預かりとは願ってもない待遇だ。 「そういえば、自己紹介もまだだったね。私は高町なのは。」 確かに。なのはの言葉に漸く気づいた。苦笑を洩らしながら、彼は名乗った。 「僕は……藤堂、綾也です。」 なのはに送ってもらい、宛がわれた自室に入ると、綾也はベッドに倒れこんだ。 久しぶりに力を行使したからだろうか、眠気が酷い。 この世界で目覚めた時、気づいたら影時間の只中だった。 混乱するも、ここが別の世界だということを思い出し、とりあえずあてもなく歩きだす。 途中で見つけた人影と、今まさに襲いかからんとするシャドウ。咄嗟だった。 定位置である腰のホルスターに手を伸ばすと、召喚器を手に取りペルソナを召喚した。 今になって考えると不思議である。 なぜ自分はこの月光館学園の制服を着て、携帯音楽プレーヤーを身に着け、あまつさえ召喚器を持っていたのか。 思考は眠気にかき乱される。 気を抜けば失いそうな意識をなんとか繋ぎ留め、残ったなけなしの気力で起き上がった。 もぞもぞとブレザーを脱ぎ、タイを解いてそれらを床に放り出すと、綾也は再びベッドに倒れこみ、今度こそ意識を手放した。 違和感に目を覚ますと、そこは一面藍色だった。 ベルベットルーム。夢の中にいながら、これは夢だと自覚しているように、矛盾を感じる時がある。ベルベットルームにいるときは、そんな感覚に襲われる。 「また、お目にかかりましたな」 呼び出しておいてよく言う、と思うがそれは黙っていた。 「さて、今宵あなたを呼び出すのは二回目ですな。先ほど、と言ってよろしいものか、話の続きがございます」 「僕も聞きたいことがあった」 それはそうでございましょう、とイゴールは笑いながら頷いた。 「さて、何からお話致しましょうか……。そういえば、紹介がまだでしたな。」 イゴールが示したのは隣の麗人だった。 「初めまして。マーガレットでございます」 「……エリザベスさんじゃないんですか?」 イゴールに視線を送るが、老人はただ黙して笑みを深めるだけだった。 「妹は行方不明でございます」 「妹!?」 以外だった。エリザベス……彼女に姉妹がいたなんて。マーガレットと名乗った彼女に初めて会った気がしないのも、納得できる気がした。 しかし、行方不明とは。この世界の住人にも、そんなことが起こりえるのだろうか。……ありえそうだ、彼女なら。 「ずっと興味を惹かれておりました。妹を打ち倒す程の力を持った殿方……。一度、手合わせ願いたいものです」 「……ッ」 マーガレットは微笑んだ。綾也は肌が粟立った。一瞬だったが、自分に向けられたプレッシャーは凄まじかった。 無意識に、反射と無効を持たないペルソナにチェンジしてしまう程に。 間違いない、この人は強い。これまでに培ってきた経験が、警鐘を鳴らしていた。 「それほどにしておきなさい、マーガレット」 「これは私としたことが、つい」 冷汗が頬を伝う。内心、イゴールにこれほど感謝したのは初めてだった。 「それでは、本題に入りましょう。あなたはこの世界に誕生した際、ユニバースの力を失いました」 「!」 「いかにユニバースの力といえど、ここまでの奇跡は無理があったようですな。 大いなる奇跡の反動にか。それは定かではありませんが、今のあなたはユニバースを使えません」 なんとなく、気がついてはいた。自分の中にあった、あの「不可能な気がしない」感覚が抜け落ちていたのには。 だからと言って何か問題があるかと言われれば、答えはノー。今までが異常だったのだ、ただ元に戻っただけ。 「……僕はこれからどうすれば?」 「あるいは、意味や目的などないかもしれませんな。人生そのもののように曖昧で、あなたの行く末は私にもわかりえません。 深い漆黒の闇に覆われ、見通すことのできない前途。多難でございますな」 イゴールはフフ、と笑った。笑いごとではない。 「とりあえずは日々を気ままに過ごしてはいかがでしょうか。いずれ来るであろう試練に」 自分がここ来た事。そこに意味あるのだろうか。イゴールの言うとおり、意味などないのかもしれないが。 それでも、やるべきことはある。 「今は休まれるのがよろしいでしょう。そろそろ目覚めの時間ですな」 またもあの感覚だ。意識が浮上し、ベルベットルームを離れるのがわかる。 「それでは、ごきげんよう……」 綾也は夢とベルベットルームに別れを告げると、ひどい空腹とともに目を覚ました。 とにかく朝食を口にしようと部屋を出ようとして、どこで食べればいいのか分からない事に気づき、途方に暮れる。 ちらと視界の端に映った部屋の隅には、見覚えのある青い扉があった。 「こんなところに作らなくても……」 軽い眩暈を感じたのは、憔悴のせいか、空腹のためか。 とりあえず廊下を歩いて出会った人に聞こうと、部屋を後にぶらぶらと廊下を進む。何度目かの角を曲がろうとして、意外な人物に出くわした。 「君は……綾也君」 「確か、フェイトさん……?」 眠気も一瞬で醒めるほどの美女が、驚いた様子で綾也の名を呼んだ。 昨夜の自己紹介で教えられた名を確認するように言う。 「よかった、探していたんだけど……」 「あの。朝食って……どこで食べられますか……?」 フェイトの言葉を遮る綾也の言葉が以外だったのか、フェイトは瞬きを繰り返した。 「ごめんなさい、きちんと伝えておくべきだったよね……」 「いえ……」 綾也は外見通り、基本的には小食だが、食べる時は食べる。そして今は、食べる時だった。 彼は食堂のメニューを開き、彼のスタイルを考えると信じられない程の量を注文し、黙々と平らげ続けた。 フェイトはそれを余程お腹が空いていたのだろうと解釈したらしく、すまなそうにしている。 その光景は食堂の一角において、かなり異質な取り合わせだった。見慣れない青年と六課が誇る敏腕執務官が食事を共にする。 それだけでも周囲の視線は付きまといそうなものだが、六課の職員はほとんどが女性である。 その視線の中には、明らかに綾也へ向けられる好奇の視線が含まれていた。本人には自覚がなくとも、コーヒーを口に運ぶ彼の姿はカリスマ級だ。 しかし、当の二人はその視線には全く気付かず、妙な空間を形成し続けていた。 「よく食べるんだね」 「食べないと力が出ない」 漫画の食いしん坊キャラのようなセリフを吐きながらも、走り出した食は止まらない。あっという間に三人分はあろうかという量の朝食を取り終えると、食後のデザートへ入っていった。 「食事の最中悪いんだけど……」 フェイトの声のトーンが下がり、デザートを口元に運ぶ手は休めずに、綾也は目線をパフェから外した。 「この後、呼び出しがあるの。ここの部隊長から」 「部隊長?」 「昨日、私の横にいた人」 あの人か。独特のイントネーションで話す、女性。 「昨日の部屋……部隊長室に来てほしいって。私も同行する予定だから、探してたの」 「何の要件なんですか?」 「わからないけど、大事な話って言ってたよ」 やはり影時間やシャドウ、ペルソナに関することなのだろう。綾也はパフェを食べ終えると席を立った。 呼び出されている上、待たせているとなれば長居は無用だ。フェイトの案内され、部隊長室へ向かう。 そこで、ある意味綾也の予想は肯定された。 「僕が、六課に?」 「そや。うちらはまだシャドウに対抗する力を持ってない。君の力が必要なんや。 その力を貸してほしい」 予想の中でも、かなり望ましい位置にあった申し出だ。 自分はこの世界においてエキストラではなく、役職を得ることになるし、生活にも困らない。 「僕の力でよければ、いくらでも」 「ありがとう、そう言ってくれると思っとったよ」 綾也の言葉を聞くと、はやては笑って言った。 「よろしくな、綾也くん」 差し出された右手を、綾也は握り返した。 「こちらこそ、お世話になります」 六課への入隊。それは暗闇に包まれたこの世界での一筋の光明のように感じた。 これからの旅路、行く手に何が待ち受けるのか。分からなくても、それでも何とかなる気がしていた。 ユニバースの力がなくても、自分には残っている。ペルソナと、絆が。色褪せることのない確かな輝きを放つそれが、行く手を照らしてくれように感じて。 元の世界に未練がないわけじゃない。還ることができたらどんなにいいだろう。 しかしここにも僕の居場所ができた。無責任に捨てることはできない。 今は尽力しよう。この世界の闇を晴らすことに。それが、僕のすべきことだと感じていた。 そして、夜が来る――。 前へ 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 第6話 【進展】 なのは「初めての戦いは、やっぱりピンチの連続だったけど」 フェイト「歩き出した子どもたちは、ちゃんと自分で進んでいってる」 はやて「迷いはひとまず、胸の奥に仕舞っておいて」 なのは「これからも続く、チームでの戦い」 フェイト「合図と一緒に、仲間と一緒に、立ち向かう戦い」 はやて「それぞれの場所での、それぞれの戦い」 なのは「魔法少女リリカルなのはStrikerS…始まります」 リイン「5月13日。部隊の正式稼動後、初の緊急出動がありました。密輸ルートで運び込まれたロストロギア、 レリックをガジェットが発見。輸送中のリニアレールを襲撃。それを阻止、 レリックを回収するという任務でしたが、六課前線メンバー一同の活躍もあって、 無事に解決。確保した刻印ナンバー9のレリックは、現在、中央のラボにて保管、調査中。 初任務としてはまず問題ない滑りだしだ、と部隊長のはやてちゃん。六課の後継人。 騎士カリムやクロノ提督たちも満足されているようです、と」 ヴィータ「あたしやお前のポジション、フロントアタッカーはな。敵陣に単身で切り込んだり、 最前線で防衛ラインを守ったりが主な仕事なんだ。防御スキルと生存能力が高いほど、攻撃時間を長くとれるし、 サポート陣にも頼らねぇで済むって、これはなのはに教わったな」 スバル「はい!ヴィータ副隊長!」 ヴィータ「受け止めるバリア系、はじいてそらすシールド系。身にまとって自分を守るフィールド系。 この三種を使いこなしつつ、ポンポンふっとばされねぇように、下半身のふんばりと、 マッハキャリバーの使いこなしを身につけろ」 ヴィータ「グランファイゼンにぶったたかれたくなかったら、しっかり守れよ」 フェイト「エリオとキャロは、スバルやヴィータみたいに頑丈じゃないから、反応と回避がまずは最重要。 まずは動き回って狙わせない。攻撃が当たる場所に、長居しない!」 フェイト「スピードが上がれば上がるほど、勘やセンスに頼って動くのは危ないの。 ガードウィングのエリオは、どの位置からでも攻撃やサポートをできるように。 フルバックのキャロは、すばやく動いて仲間の支援をしてあげられるように。 確実で、有効な回避アクションの基礎。しっかり覚えていこう」 なのは「ティアナみたいな精密射撃型は、いちいち避けたり受けたりしてたんじゃ、仕事ができないからね」 なのは「足はとめて、視野は広く。射撃型の真髄は?」 ティアナ「あらゆる相手に、性格な弾丸をセレクトして、命中させる。判断速度と命中精度!」 なのは「チームの中央に立って、誰より早く中長距離を制する。それが私やティアナのポジション、センターガードだよ」 ティアナ「はい!」 エリオ「もう物心ついたころから、色々よくしてもらって。魔法も、ボクが勉強を初めてからは時々教えてもらってて。 本当にいつも優しくしてくれて。ボクは今もフェイトさんに育ててもらってるって思ってます。 フェイトさん、子供の頃に、家庭のことでちょっとだけ寂しい思いをしたことがあるって。 だから、寂しい子供や、悲しい子供のこと、ほっとけないんだそうです」 エリオ「自分も、優しくしてくれるあったかい手に救って貰ったからって」 フェイト「変じゃない?」 なのは「全然変じゃないよ。ちゃんとかわいいよ、フェイトちゃん!」 ゲンヤ「ま、うちの捜査部をつかってもらうのはかまわねぇし、密輸調査はうちの本業っちゃあ本業だ。 頼まれねぇことはないんだが…」 はやて「お願いしますぅ」 ゲンヤ「八神よ。他の機動部隊や本局捜査部じゃなくてわざわざうちに来るのは、何か理由があるのか?」 はやて「密輸ルートの捜査自体は彼らにも依頼しているんですが、 地上のことはやっぱり地上部隊が一番よく知ってますから」 ゲンヤ「ふん。まぁ、筋は通ってんな」 シャーリー「それにしても、よく分からないんですよね、レリックの存在意義って」 フェイト「うん」 シャーリー「エネルギー結晶体にしてはよく分からない機構が沢山あるし、動力器官としても何だか変だし」 フェイト「まぁ、すぐに使い方が分かるようなものなら、ロストロギア指定はされないもの」 フェイト「随分昔に、私となのはが探し集めてて…。今は局の保管庫で管理されているはずのロストロギア」 シャーリー「ほぉ、なるほど。…って、なんでそんなものが!?」 フェイト「Dr.ジェイル・スカリエッティ。ロストロギア事件関連を初めとして、 数え切れないぐらいの罪状で超広域指名手配されてる一級捜索指定の次元犯罪者だよ」 シャーリー「次元犯罪者…」 フェイト「ちょっと事情があってね。この男のことは、何年か前からずっと追ってるんだ」 シャーリー「そんな犯罪者が、何でこんなに分かりやすく自分の手がかりを?」 フェイト「本人だとしたら挑発。他人だとしたらミスリード狙い。どっちにしても、 私やなのはがこの事件に関わってるって知ってるんだ」 フェイト「あの男は、Drのとおり名通り、生命操作とか生体改造に関して異常な情熱と技術を持っている。 そんな男が、ガジェットみたいな機械を大量に作り出してまで求めるからには……」 なのは「細かいことで、叱ったりどなりつけてる暇があったら、模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめしてあげるほうが、 教えられる側は学べることが多いって。…教導隊では、よく言われてるしね」 ヴィータ「おっかねぇなぁ。おい」 なのは「私たちがするのは、まっさらな新人を教えて育てる教育じゃなくて。強くなりたいって、 意思と熱意を持った魔道師に今よりハイレベルな戦闘技術を教えて、導いてゆく。戦技教導だから」 ヴィータ「連中は自分たちがどんだけ幸せか、気づくまで結構時間がかかるだろうなぁ。 自分勝手に戦ってる時も、いつだってなのはに守られて幸せに。 …あたしはスターズの副隊長だからな。おまえのことは、あたしが守ってやる!」 スバル「今度の任務はホテルの警備とオークションの護衛」 ティアナ「オークションを狙うガジェットと謎の召還魔道師」 スバル「次回、魔法少女リリカルなのはStrikerS第7話」 ティアナ「ホテル・アグスタ」 スバル・ティアナ「Take off!」
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エルトリア組 エルトリアはとある次元世界に存在する星であり、死蝕と呼ばれる謎の現象により崩壊しかかっていた 現在はフローリアン姉妹やマテリアルズの尽力により自然や文明の復興が進んでいる アミティエ・フローリアン エルトリア組のリーダー格、熱血・気合い・根性好きな少女 愛称のアミタで呼ばれる事が多い グランツ博士が開発した機械生命体「ギアーズ」であり、キリエの姉 元気で明るく常に前向きな性格、妹の事は世界で一番大切だとか 博士亡き後はマテリアルズ、ユーリ、キリエらとエルトリア復興のため奮闘の日々を送っている ちなみに胸は大きめ、キリエとほぼ同等 機械生命体と言うとゾンダーだったりクロノス族だったり… 機械製とは言え身体は人間とほとんど同じであり成長もするらしい アツェレイの事が少し気になるとかなんとか キリエ・フローリアン アミタの妹で同じくギアーズの少女 クールでシニカル、でもなんだかんだ言ってやっぱりお姉ちゃんの事は大好き 博士の技術力を受け継いで復興に役立てている が、妙な方向に発展させてしまう事もしばしば(ビオランテとか) 言動などでセクシーな雰囲気を醸し出したりしてキリエからはピンクな妹、淫乱ピンクなどと言われる(たぶん冗談) しかし本当は結構純情かもしれない エリオの事が少し気になるとかなんとか ユーリ・エーベルヴァイン エルトリア組の和み担当 金髪で少々天然気味な幼女 かわいい、とんでもなくかわいい 誰にでも優しく皆から愛されている 出自からして何気にエルトリア最強である ただし訓練はしているものの力の制御は中々難しいらしい ビオランテ達が忠誠を捧げつつ愛でる存在でもある ユーリはディアーチェの嫁、異論はあんまり認めない マテリアルズ 星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター) 雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー) 闇統べる王(ロード・ディアーチェ) その他 ビオランテ グランツ博士がどこからか入手し、キリエが復活させた超植物生命体 エルトリアの自然を回復させたり再生する触手は食料になったり危険生物を撃退してくれたりと高性能かつ多機能 量産されて50匹ほどが裏手のビオランテ畑に暮らしている ちびオランテ 町の人々 崩壊しつつあるエルトリアに残っていた人々 他の人々のように他星に脱出しなかったのは個人の理由だったり単にお金が無かったり 今はエルトリアの各地に村や町を築いて復興を進めている マテリアルズやユーリが来てくれて大助かりとのこと